22. Sophie la girafe

「きりんのソフィー」は、フランス人なら誰しもが赤ちゃんの頃お世話になったと言っても過言ではないほど、子育てに欠かせないロングセラーのおもちゃです。フランス語では「Sophie la girafe(ソフィー・ラ・ジラフ)」と呼ばれ、半世紀以上もの間、多くの人たちに愛され続けています。

きりんのソフィーが誕生したのは1961年5月25日。「聖人ソフィー(Sainte Sophie)」を祝う日だったところから、ソフィーと名付けられました(フランスではすべての日に聖人の名前があてがわれています)。生みの親であるランポーさん(Monsieur Rampeau)はヘべアの樹脂から天然ゴム(ラテックス)を製造するスペシャリスト。当時、子供向けのおもちゃと言えば犬や猫、羊、馬、牛のようなペットや家畜を模したものが多かったため、今まで無かったエキゾチックな動物をモデルにしようと考えました。赤ちゃんの小さな手でも握りやすいという観点から、細長い首や脚を持つきりんを選びました。




100%天然ゴムの独特な香りと手触り、お腹を押すとキュッと鳴る音、視覚に訴える黒い瞳と斑点模様、歯固めとしても使える柔らかな感触と、赤ちゃんの五感を刺激する秘密が詰まったソフィーですが、その製法を知るのはVulli社だけ。1つのソフィーを作るのになんと14もの工程があり、今もオート=サヴォワ県のリュミリーという町で、昔ながらの職人技を受け継ぎながらひとつひとつ丁寧に作られています。

ベビー用品店はもちろんのこと、デパートやモノプリのようなスーパーでも見つかるフランスでおなじみのおもちゃです。

価格:Sophie la girafe 15€

|Sophie la girafe Vulli|
・Vulli社オフィシャルサイト





フランスに星の数ほどあるおいしいものとかわいいものを、トリコロル・パリの目線でご紹介。パリに暮らす日本人イラストレーターmarineさんの手描きのイラストとともに、歴史のあるもの、職人さんが手作りするもの、フランス人なら誰もが知る庶民的なもの、今流行しているもの・・・など、フランスのあらゆるMerveille(素敵なもの)をお届けします。

下山真鈴  Marine Shimoyama

東京生まれ、パリ在住。アパレルブランドのPRを経て、2006年に渡仏。パリでグラフィックアートを学んだのち、イラストレーターとして活動を開始。フランスと日本で、アパレル・コスメ関連のイラストや、雑誌やウェブサイトの挿絵などを手がける。パリの日常で見かけるおしゃれなパリジェンヌをイラストで紹介するブログ「パリウォッチ」をMadame Figaro Japonのウェブサイトで連載中。

12ヶ月のパリジェンヌ
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