01. rue Galande
ガランド通り
「パリところどころ」第3回は、カルチエ・ラタンのガランド通り。
このイラストを見て「あ、ここ見覚えがある!」と思った方もいるでしょうか。英語書籍専門書店シェイクスピア・アンド・カンパニーのカフェの角を曲がり、セーヌ川を背にして少し歩くと、奥に見えてくるのがこの風景です。ちょうど通りがカーブになっているところに、より高い左右の建物に挟まれるようにして、17世紀の背の低い2つの建物が佇んでいます。壊されずに残ったのが奇跡のようですが、おかげで、なんとも絵になる一角になっていて、ここを通るたびに写真を撮らずにはいられません。
パリを舞台にイーサン・ホークとジュリー・デルピー演じるカップルのストーリーを描く映画『ビフォア・サンセット』では、まさにシェイクスピア・アンド・カンパニーで9年ぶりの再会を果たした2人がこのガランド通りを歩く様子が出てきます。
ちなみにOdetteはシュークリームのお店で、暖かくなるとテラス席が出るのでいつもにぎわっています。Pays de Pocheはアーティストが手がけたオブジェや雑貨を置くお店のよう。一番気になるのは真ん中のグリーンの建物ですが、店舗ではないし、写真を見ると郵便受けと呼び鈴があるので、もしかして誰かが住んでいるのか!?とにかく、シックなグリーンに赤でアクセントをつけたこの建物の色味が、この一角の可愛さを倍増させていることは確かです。こういう色合いを見るとなぜか、パリらしいなあと思うんですよね。
このあたりはパリの中でもかなり歴史のある地区で、中世の入り組んだ小道がそこかしこに残されています。このガランド通りはなんと800年以上前、1202年から存在する道!手前にあるサン・ジュリアン・ル・ポーヴル教会も13世紀完成のパリで最も古い教会の1つ。ほかにも絵になるスポットが隠されていますよ。ぜひのんびり散策してみてください。
|rue Galande |
住所:rue Galande 75005
⌘ イラストレーター
下山真鈴 Marine Shimoyama
東京生まれ、パリ在住。アパレルブランドのPRを経て、2006年に渡仏。パリでグラフィックアートを学んだのち、イラストレーターとして活動を開始。フランスと日本で、アパレル・コスメ関連のイラストや、雑誌やウェブサイトの挿絵などを手がける。パリの日常で見かけるおしゃれなパリジェンヌをイラストで紹介するブログ「パリウォッチ」をMadame Figaro Japonのウェブサイトで連載中。
|12ヶ月のパリジェンヌ||marine-illustration.com||Instagram|
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