〈パリところどころ〉07. セーヌ通りのエピスリー

ときには可愛らしかったり、味があったり、歴史を感じたり…パリを歩いていると出会う、街角のさまざまな風景を、パリに暮らす日本人イラストレーターmarineさんの手描きのイラストとともにお届けします。




07. Epicerie de la rue de Seine
セーヌ通りのエピスリー

「パリところどころ」第7回は、サンジェルマン・デプレ地区を南北に貫くセーヌ通りにあるエピスリーが主役です。

中世からあるエピスリー(Épicerie)は、もともとはその名のとおりépice(スパイス)を売るお店でしたが、19世紀になると、スパイスに加えて食料品も扱う商店となりました。20世紀になって登場するスーパーマーケットの前身とも言えます。より広く、より多くの商品を取り扱うスーパーが発展するにつれて、エピスリーの数は減っていきましたが、食品だけでなく、トイレットペーパーやシャンプーなどの日用品もあり、日曜・祝日・夜も遅くまで営業しているという利点のおかげで、日本のコンビニ的な存在として、生き延びています。商品の価格がスーパーよりも高めというのもコンビニに似ています。

セーヌ通り24番地にあるこのお店も、典型的なパリのエピスリーで、小さな小さな店内に、生鮮食品や日用品、ワインや水などがぎゅっと詰まっています。「Alimentation générale」という表示は、食品全般を扱っていますよ、という意味で、エピスリーでよく見かけるものです。

映画『アメリ』に登場したモンマルトルの「コリニョンの店」もそうですが、エピスリーのたたずまいにはノスタルジーをかきたてるものがあります。2010年代以降、スーパーでも日曜・祝日・夜間営業が始まるようになり、エピスリーの存在意義が再び薄れつつありますが、パリの街の風景を彩るものとして、いつまでも残ってほしいものです。

|セーヌ通りのエピスリー |

住所:24 rue de Seine 75006

⌘ イラストレーター

下山真鈴  Marine Shimoyama

東京生まれ、パリ在住。アパレルブランドのPRを経て、2006年に渡仏。パリでグラフィックアートを学んだのち、イラストレーターとして活動を開始。フランスと日本で、アパレル・コスメ関連のイラストや、雑誌やウェブサイトの挿絵などを手がける。パリの日常で見かけるおしゃれなパリジェンヌをイラストで紹介するブログ「パリウォッチ」をMadame Figaro Japonのウェブサイトで連載中。

12ヶ月のパリジェンヌ||marine-illustration.com||Instagram

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