〈パリところどころ〉10. ストレール

ときには可愛らしかったり、味があったり、歴史を感じたり…パリを歩いていると出会う、街角のさまざまな風景を、パリに暮らす日本人イラストレーターmarineさんの手描きのイラストとともにお届けします。




10. Stohrer
ストレール

「パリところどころ」も10回目を迎えました〜!今回marineさんが描いてくれたのは、現存するパリ最古のパティスリー「Stohrer(ストレール/ストレー)」のファサードです。

のちにルイ15世の妻となるマリー・レクザンスカのパティシエだったニコラ・ストレールが、モントルグイユ通り51番地に1730年創業しました。ブリオッシュにラム酒のシロップをしみこませたババ・オ・ラム発祥の店としても知られています。砂糖漬けのチェリーをのせたシンプルなババもよいですが、やはりシャンティイ(ホイップクリーム)をたっぷり絞ったババ・オ・ラム・シャンティイが最高〜!他にもクラシックでしみじみおいしいパティスリーやヴィエノワズリーが並んでいて選べません。
marineさんのイラストでもとっても美しく再現されているとおり、ロイヤルブルーのファサードが王室御用達の老舗らしくて素敵です。現在の店舗は19世紀半ばのもので、歴史的建造物指定。オペラ・ガルニエの内装を手がけたポール・ボードリーの弟子による豪華な内装もじっくり見てみてください。

ニコラ・ストレールが、中世から続く中央市場(レ・アール)にほど近いモントルグイユ通りにお店を構えたのは偶然ではないでしょう。市場が郊外に移転して、代わりにフォーラム・デ・アール(ショッピングセンター)ができた今でも、カフェやビストロ、八百屋、肉屋、チョコレート、ケーキ、パン、アイスクリーム、ワインなど、グルメなお店がとにかく多い、にぎやかな通りです。

|rue Montorgueil | Stohrer

住所:51 rue Montorgueil 75002

⌘ イラストレーター

下山真鈴  Marine Shimoyama

東京生まれ、パリ在住。アパレルブランドのPRを経て、2006年に渡仏。パリでグラフィックアートを学んだのち、イラストレーターとして活動を開始。フランスと日本で、アパレル・コスメ関連のイラストや、雑誌やウェブサイトの挿絵などを手がける。パリの日常で見かけるおしゃれなパリジェンヌをイラストで紹介するブログ「パリウォッチ」をMadame Figaro Japonのウェブサイトで連載中。

12ヶ月のパリジェンヌ||marine-illustration.com||Instagram
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