〈パリところどころ〉05. ダリダ広場

ときには可愛らしかったり、味があったり、歴史を感じたり…パリを歩いていると出会う、街角のさまざまな風景を、パリに暮らす日本人イラストレーターmarineさんの手描きのイラストとともにお届けします。




05. place Dalida
ダリダ広場

「パリところどころ」第5回は、モンマルトルの丘の上にある「ダリダ広場」。

ゆるいカーブを描く石畳のアブルヴォワール通りの先に、白亜のサクレ・クール寺院が見える、とっても素敵でフォトジェニックなこの場所が、「ダリダ広場」と名付けられたのは1996年のことでした。

「ダリダ」とは、1950年代後半から30年以上にわたりフランスの国民的歌手として活躍した女性で、広場の中央には彼女の胸像が置かれています。すぐ近くの一軒家に暮らし、今はモンマルトル墓地に眠る、モンマルトルにゆかりの深い歌手です。

エジプト生まれのイタリア系フランス人で、ミス・エジプトにも選ばれた美貌と、どこか哀愁を漂わせる歌声で愛された歌手でしたが、私生活は波瀾万丈で、54歳の若さで惜しくも自らの命を絶ってしまいます。

ここに来るたびに、昔から変わっていないであろうこの風景に心をつかまれます。そして、ダリダのことを思い出し、ちょっぴり切ない気持ちになるのです。

アラン・ドロンとデュエットしたヒット曲「あまい囁き Paroles, paroles」

|place Dalida |

住所:place Dalida 75018

⌘ イラストレーター

下山真鈴  Marine Shimoyama

東京生まれ、パリ在住。アパレルブランドのPRを経て、2006年に渡仏。パリでグラフィックアートを学んだのち、イラストレーターとして活動を開始。フランスと日本で、アパレル・コスメ関連のイラストや、雑誌やウェブサイトの挿絵などを手がける。パリの日常で見かけるおしゃれなパリジェンヌをイラストで紹介するブログ「パリウォッチ」をMadame Figaro Japonのウェブサイトで連載中。

12ヶ月のパリジェンヌ||marine-illustration.com||Instagram
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