47. Champignons
キノコ
秋も深まり、きのこが美味しい季節です🍄マルシェにはさまざまな色と形のきのこが並んでいてよりどりみどり。そして、森にきのこ狩りに出かけることもそう珍しいことではありません。自分で見つけたきのこが食べられるかどうかわからないときは薬局に聞きに行くと教えてくれる、という話はもうご存知かもしれませんね。
きのこ好きなのは日本とフランスの共通点なのですが、伝統的に食べられるきのこの種類は全然違うのが面白いところです。フランスには栽培・野生合わせて146種類の食用きのこがあるそうですが、その中でも今回、3種類をピックアップしてmarineさんに描いていただきました。
左上の黒っぽいのが「Trompette de la mort」、「死のトランペット」というちょっと恐ろしい名前のきのこです。その黒っぽい色が死を連想させたというのは納得なのですが、それだけでなく、11月上旬ごろにたくさん生えることも名前の由来の1つと言われています。カトリックの世界では11月1日が諸聖人の祝日、翌2日は死者の日で、お墓参りシーズン。この時期、死者が蘇り、土に生えたこのきのこのトランペットを吹きながら死者にしか聴こえない演奏会をするという伝説があるのだとか。それにしても、毒きのこではなく食べられるきのこにこんな名前をつけるなんて、まぎらわしいですよね。
右上の黄土色のは「pied de mouton」、「羊の足」という名前がつけられています。これはその名のとおり、羊の足みたいにぷっくりしているからのようですね。カサの部分がぶ厚めでおいしいです。
そして一番下のきのこはご存知、マッシュルームです。ホワイトもブラウンも、フランスで最も手軽に安く買えるきのこで、「champignon de Paris」、「パリのきのこ」と呼ばれます。19世紀初め、フランスでの本格的な栽培がパリ南部の採石場跡で始まったことからこの名前がついたようですが、現在はロワール地方が主な産地になっています。
秋のフランスを訪れたら、マルシェやスーパーに並ぶきのこにもぜひ注目してくださいね。
⌘ フランスで見つけたおいしいものとかわいいもの
フランスに星の数ほどあるおいしいものとかわいいものを、トリコロル・パリの目線でご紹介。パリに暮らす日本人イラストレーターmarineさんの手描きのイラストとともに、歴史のあるもの、職人さんが手作りするもの、フランス人なら誰もが知る庶民的なもの、今流行しているもの・・・など、フランスのあらゆるMerveille(素敵なもの)をお届けします。
⌘ イラストレーター
下山真鈴 Marine Shimoyama
東京生まれ、パリ在住。アパレルブランドのPRを経て、2006年に渡仏。パリでグラフィックアートを学んだのち、イラストレーターとして活動を開始。フランスと日本で、アパレル・コスメ関連のイラストや、雑誌やウェブサイトの挿絵などを手がける。パリの日常で見かけるおしゃれなパリジェンヌをイラストで紹介するブログ「パリウォッチ」をMadame Figaro Japonのウェブサイトで連載中。
|12ヶ月のパリジェンヌ||marine-illustration.com||Instagram|
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