02. Place des Vosges
ヴォージュ広場
「パリところどころ」第2回は、ヴォージュ広場。
細い小道に歴史ある建物がひしめきあうマレ地区のなかで、ここだけは少し広々としたオアシスのような存在。アンリ4世の命で、17世紀初めに建設されたパリ最古の広場で、当初は「Place Royale(王の広場)」という名前でしたが、フランス革命を経て「Place des Vosges(ヴォージュ広場)」になりました。
広場を囲む赤レンガの建物はかつての貴族の邸宅。その前に植えられた木々が四季折々の表情を見せ、この広場の美しさを際立たせています。黄色や茶色の葉が舞う秋も捨てがたいですが、やっぱり個人的には春、新緑の季節が一番好きです。
4つの角にそれぞれ噴水が散りばめられた正方形の広場には芝生が広がっています。天気の良い日には家族連れや学生たちでにぎわい、のんびり寝そべったり、読書したり、ピクニックしたり、みんな思い思いに時を過ごしています。
広場を縁どるアーケードの下には、アートギャラリーやブティック、カフェ、レストランが並びます。28番地に隠れ家のようにひっそりと佇むLe Pavillon de la Reine(ル・パヴィヨン・ドゥ・ラ・レーヌ)は一度は泊まってみたい憧れの5ツ星ホテル。おいしいパティスリーでティータイムをするなら25番地のCarette(カレット)へ。6番地にはあのヴィクトル・ユーゴーが1832年から1848年までの16年間暮らした「Maison de Victor Hugo(ヴィクトル・ユーゴーの家)」があり、無料で見学できます。
12番地にはなんと公立幼稚園もあります。400年以上前からある、この歴史的なヴォージュ広場が、地元パリジャン・パリジェンヌたちの生活の一部になっていて、愛され続けていると思うと、なんだかジーンとしてくるのです。
|Place des Vosges |
住所:Place des Vosges 75004(→MAP)
⌘ イラストレーター
下山真鈴 Marine Shimoyama
東京生まれ、パリ在住。アパレルブランドのPRを経て、2006年に渡仏。パリでグラフィックアートを学んだのち、イラストレーターとして活動を開始。フランスと日本で、アパレル・コスメ関連のイラストや、雑誌やウェブサイトの挿絵などを手がける。パリの日常で見かけるおしゃれなパリジェンヌをイラストで紹介するブログ「パリウォッチ」をMadame Figaro Japonのウェブサイトで連載中。
|12ヶ月のパリジェンヌ||marine-illustration.com||Instagram|
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