【訃報】フランス人俳優ジャン=ピエール・バクリが69歳で死去

Photo : Yohan BONNET/AFP

脚本家や監督としても活躍したフランス人俳優ジャン=ピエール・バクリ(Jean-Pierre Bacri)が2021年1月18日の午後、癌のためにパリで亡くなりました。69歳でした。長年、公私にわたってパートナーであった女優・映画監督のアニエス・ジャウィと共に多くの作品を残し、愛すべき「Râleur(文句ばかり言う人)」としてフランス国民に愛されていました。初期の出演作としてリュック・ベッソン監督作品『サブウェイ』(1984年)、ジャン=シャルル・タケラ監督作品『C階段』(1985年)のほか、90年代に入ると、セドリック・クラビッシュ監督の『家族の気分』(1996年)、アラン・レネ監督の『恋するシャンソン』(1997年)、アニエス・ジャウィ監督の『ムッシュ・カステラの恋』(1999年)など日本公開された作品にも多く出演しました。




愚痴ばかりこぼす気難し屋さんの役が多く、私がイメージするいかにも「フランス人らしい」俳優だったバクリ。20年以上も前のことになりますが、一度飛行機の座席が隣り合わせになったことがあり、その際、CAさんたちとにこやかに話していて、とても気さくな人だなぁと驚いたことを覚えています。ニコリともしない役柄でも、なぜか憎めず、クスリと笑わせてくれるキャラクターの影には、そんな素敵な素顔があったのだなとつくづく思います。これからもずっと楽しい映画を作り続け、70代になったバクリもぜひ見てみたかったです。ご冥福をお祈りします。

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