初夏の香りを感じるとクローゼットから取り出したくなるのが、編みかごのバッグです。フランスではマルシェのお買い物の際には欠かせないもので、季節に関係なくパニエを持っている人をよく見かけます。かつてはジェーン・バーキンが、バケツ型の編みかごを普段使いのバッグとしてどこに行くにも、どんな服装にも持ち歩いていましたが、ここ数年でまたそのブームが訪れ、かごバッグは夏のおしゃれの定番アイテムととしても根強い人気があります。
夏のコレクションには、ファストブランドからハイブランドまで、さまざまな形とサイズのかごバッグが揃います。トリコロル・パリの本『曜日別パリ案内』で紹介したパリのバッグブランド「Polène ポレーヌ」の「L’osier」シリーズはまさにジェーン・バーキンへのオマージュといったデザイン。籐とレザーの組み合わせがとてもモードです。
今回、marineさんが描いてくれたのは、街角のドログリー(雑貨店)の軒先に吊るされているようなクラシックなパニエ。持ち手が短いものが一般的ですが、イラストのように持ち手が長く肩にかけられるデザインもあるので、マルシェのお買い物やビーチへはもちろん、普段のお出かけにも気軽に使える名品です。気分やその日の洋服に合わせて、お気に入りのスカーフやバンダナを巻いても楽しいですね。同じく『曜日別パリ案内』で紹介しているレピュブリック/サン・マルタン運河界隈のお店「Pompon Bazar ポンポン・バザール」にはこういった大ぶりなパニエから、かっちりとした網かごバッグなど、いろんなかごバッグが揃っているのでおすすめです。
|Panier de marché en osier|
フランスに星の数ほどあるおいしいものとかわいいものを、トリコロル・パリの目線でご紹介。パリに暮らす日本人イラストレーターmarineさんの手描きのイラストとともに、歴史のあるもの、職人さんが手作りするもの、フランス人なら誰もが知る庶民的なもの、今流行しているもの・・・など、フランスのあらゆるMerveille(素敵なもの)をお届けします。
下山真鈴 Marine Shimoyama
東京生まれ、パリ在住。アパレルブランドのPRを経て、2006年に渡仏。パリでグラフィックアートを学んだのち、イラストレーターとして活動を開始。フランスと日本で、アパレル・コスメ関連のイラストや、雑誌やウェブサイトの挿絵などを手がける。パリの日常で見かけるおしゃれなパリジェンヌをイラストで紹介するブログ「パリウォッチ」をMadame Figaro Japonのウェブサイトで連載中。