今回、イラストレーターのmarineさんが描いてくれたのは、老舗サロン・ド・テ/パティスリー「ラデュレ」の、淡いピンクがかわいい「ルリジューズ」。「ルリジューズ」は、どの町のパン屋さんでも売っている、昔ながらの伝統的なパティスリーのひとつです。クリームを詰めた大きなシューの上に小さなシューを重ね、継ぎ目にバタークリームをレースのように絞った可愛らしい形のケーキで、「ルリジューズ」とは「修道女」を意味します。継ぎ目のクリームが修道女が着る服の襟の部分に似ていることから名付けられました。
普通のパン屋さんではチョコレートとコーヒーの2種類が定番で、甘くてどっしりしたお菓子のイメージでしたが、「ラデュレ」がバラやスミレ、キャラメル、ピスタチオ、イチゴ、パイナップルなどさまざまな味と色のルリジューズを登場させて以来、すっかりオシャレなパティスリーの仲間入りをしました。
フランスに星の数ほどあるおいしいものとかわいいものを、トリコロル・パリの目線でご紹介。パリに暮らす日本人イラストレーターmarineさんの手描きのイラストとともに、歴史のあるもの、職人さんが手作りするもの、フランス人なら誰もが知る庶民的なもの、今流行しているもの・・・など、フランスのあらゆるMerveille(素敵なもの)をお届けします。
下山真鈴 Marine Shimoyama
東京生まれ、パリ在住。アパレルブランドのPRを経て、2006年に渡仏。パリでグラフィックアートを学んだのち、イラストレーターとして活動を開始。フランスと日本で、アパレル・コスメ関連のイラストや、雑誌やウェブサイトの挿絵などを手がける。パリの日常で見かけるおしゃれなパリジェンヌをイラストで紹介するブログ「パリウォッチ」をMadame Figaro Japonのウェブサイトで連載中。