フランスとイタリアの国境に位置するヨーロッパ最高峰の山の形から名づけられたモンブランは、焼きメレンゲにホイップクリームをかぶせ、マロンクリームを細く螺旋状に絞ったパティスリー。カシスなどのジャムで酸味を加えるお店もありますね。日本で昔からあるモンブランといえば黄色い甘露煮の栗とスポンジ生地を使ったものがおなじみですが、フランスのモンブランは茶色でメレンゲなのがポイント。とはいえこのごろは日本でも茶色いモンブランもよく見かけるようになりましたね。
今回、イラストレーターのmarineさんが描いてくれたのは、フランスのモンブランの代名詞である老舗サロン・ド・テ「アンジェリーナ」のモンブラン。モンブランの起源には諸説ありますが、フランスでモンブランの名を高めたのがリヴォリ通りの老舗サロン・ド・テ「アンジェリーナ」であることは確実です。20世紀初頭から100年以上にわたりモンブランの名店として名を馳せ、本店だけでも毎日800個を売り上げるそうです。季節によってピスタチオやベリーなど変わり種のモンブランも味わえます。ピエール・エルメをはじめ数多くの名パティシエたちもそれぞれ個性あるモンブランを生み出しているのですが、個人的にはやっぱり上質なマロンクリームとホイップクリームとメレンゲだけのクラシックな「アンジェリーナ」のモンブランが一番好きです。
価格:イートイン9.4€、持ち帰り7€
|Angelina|
パリのお店:
・226 rue de Rivoli 75001(サロン・ド・テ)
・108 rue du Bac 75007(持ち帰りのみ)
・19 rue du Vaugirard(リュクサンブール美術館内、サロン・ド・テ)
・40 bd Haussmann(ギャラリー・ラファイエット本館1階、サロン・ド・テ)
アンジェリーナのオフィシャルサイト
フランスに星の数ほどあるおいしいものとかわいいものを、トリコロル・パリの目線でご紹介。パリに暮らす日本人イラストレーターmarineさんの手描きのイラストとともに、歴史のあるもの、職人さんが手作りするもの、フランス人なら誰もが知る庶民的なもの、今流行しているもの・・・など、フランスのあらゆるMerveille(素敵なもの)をお届けします。
下山真鈴 Marine Shimoyama
東京生まれ、パリ在住。アパレルブランドのPRを経て、2006年に渡仏。パリでグラフィックアートを学んだのち、イラストレーターとして活動を開始。フランスと日本で、アパレル・コスメ関連のイラストや、雑誌やウェブサイトの挿絵などを手がける。パリの日常で見かけるおしゃれなパリジェンヌをイラストで紹介するブログ「パリウォッチ」をMadame Figaro Japonのウェブサイトで連載中。