06. Bouteilles en verre d’ORANGINA



2012年に日本上陸して以来、フランスの「国民的炭酸」としてすっかりおなじみなったオランジーナ。公式サイトによると、1936年にレオン・ベトンによって「Soda de Naranjina(ナランジーナ・ソーダ)」と言う名前で販売されたのがオランジーナのはじまりで、その前年にベトンがマルセイユ見本市にて、スペイン人薬剤師のトリゴ・ミラレスが発明したオレンジのエッセンシャルオイルを濃縮したエッセンスに出会ったのがきっかけだそう。フランスで大々的に売り出されるようになったのは1945年で、1953年にはベルナール・ヴィユモがイラストを描いたあの有名なポスターが誕生しました。その後も数々の名作CMやポスターが話題となり、ぐんぐんと知名度を上げたオランジーナですが、何と言っても、ずっと変わらないオレンジの素朴で自然な味わいが半世紀以上続く人気の理由でしょう。





オランジーナと言えば、底がぷっくりとふくらんだ独特な形のボトルが印象的。スーパーなどでは330ml入りの缶や、500ml・1.5l入りの細長いペットボトルが主流ですが、カフェやレストランでオーダーすると昔ながらのガラス瓶に入った250ml入りのオランジーナに出会うことができます!これはフランスならではの楽しみなので、旅行の際に是非とも「un orangina s’il vous plaît(アン オランジーナ シルヴプレ)」と注文してみてください。オランジーナは果肉が入っているので、カフェのスタッフさんが栓を抜く前にくるっくるっとボトルを上下にひっくり返す仕草も良いんですよね。オランジーナを知らない頃は、炭酸水なのに振っても大丈夫なのか?!と恐ろしかったものです。

もうひとつ、オランジーナのボトルの特徴といえば、オレンジの皮をイメージしたデコボコの手触り。細長いペットボトルのタイプも、底ではなく上部がぷっくりふくらんでいて、その部分がザラザラ、ボコボコした加工になっていて、時代は変わってもアイデンティティを大切にするオランジーナの誇りを感じます。また、大きなスーパーだと、ごく稀にガラスボトルを模した250ml入りのペットボトルが売られていることもあって、見かけるとその可愛さについつい買ってしまいます。

フランスではスタンダードなオランジーナの他に、カロリーを抑えたオランジーナ・ゼロ、ブラッドオレンジを使ったオランジーナ・ルージュがあります。ちなみに、味も日本のレシピとフランスのレシピは異なるそうなので、日仏のオランジーナの飲み比べをしてみるのも楽しいかも知れませんね。

 

|ORANGINA|

オランジーナのオフィシャルサイト





フランスに星の数ほどあるおいしいものとかわいいものを、トリコロル・パリの目線でご紹介。パリに暮らす日本人イラストレーターmarineさんの手描きのイラストとともに、歴史のあるもの、職人さんが手作りするもの、フランス人なら誰もが知る庶民的なもの、今流行しているもの・・・など、フランスのあらゆるMerveille(素敵なもの)をお届けします。

下山真鈴  Marine Shimoyama

東京生まれ、パリ在住。アパレルブランドのPRを経て、2006年に渡仏。パリでグラフィックアートを学んだのち、イラストレーターとして活動を開始。フランスと日本で、アパレル・コスメ関連のイラストや、雑誌やウェブサイトの挿絵などを手がける。パリの日常で見かけるおしゃれなパリジェンヌをイラストで紹介するブログ「パリウォッチ」をMadame Figaro Japonのウェブサイトで連載中。

12ヶ月のパリジェンヌ
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